仮想通貨の企業会計基準は「時価評価」。2019年3月期から適用

仮想通貨の急激な値上がりを受けて「億りびと」と呼ばれる含み益1億円を超えるような利益を出す個人も増えている中で、同様に仮想通貨による巨額な含み益を抱える企業も増えているようです。

12月5日に日本企業の会計基準を策定する企業会計基準委員会(ASBJ)がその会計の方針を示しました。

背景

この度、会計ルール基準が協議されている理由は、急激な仮想通貨の拡大や値動きが主な理由です。

例えば、ビットコインなどの仮想通貨はビッグカメラなどの家電量販店や、様々な飲食店で利用が出来るようになり、現時点では利用可能な店舗が1万店舗を超えました。一方で、各店舗が決算を行う際の明確な会計ルールはありません。

今年4月に施行された「改正資金決済方」でコインチェックなどの仮想通貨取引所は財務監査を受けることが決定されたことを受け、4月からASBJで議論されてきた結果、年末のこのタイミングで方向性が示されました。

来期から適用の方針

この度検討されている主な会計方針は以下の通り。

  • 2019年3月期から企業に適用する
  • 原則的に仮想通貨は期末に自己評価する
  • 価格変動に合わせて損益を計上する

今週中にも方針の草案を示し、約2ヶ月間の意見公募を行う方針となりました。

具体的な会計の方法

各企業は以下の基準に従い、会計処理を行うこととなる見込みです。

  • 仮想通貨は原則、もっとも頻繁に利用している取引所の価格で貸借対照表(BS)に計上する
    ※仮想通貨は取引所によって取引価格が異なるため
  • 企業は期末に評価を行い、簿価との差額を損益処理する
  • 一方で、取引の少ない仮想通貨は取得時価格でBSに計上する
  • 期末に換金性の有無などから処分見込み価格を算出し、取得原価を下回る場合は損失計上
  • 価値をゼロと算出する場合もある

また、最近話題のICO(=イニシャル・コイン・オファリング)を使った資金調達の際の会計基準は今回示されないことから、継続してASBJにより協議が行われる予定となっています。

個人的によく分からないのが、「取引の少ない仮想通貨は取得時価格でBSに計上する」というもの。数年前に購入したビットコインを一度もその後、売買していないような場合、大幅な含み益があると思いますが、その場合も取得時の価格で計上するということなのか、細かく公開される草案を確認したいと思います。

仮想通貨についても、徐々に会計ルールが明確になってきて、いよいよ本格普及するフェーズになってきたのではないでしょうか?

企業会計担当の皆様は、年度末までにはルールが策定されますのでニュースをウォッチされることをおススメします。